乗り換えのキッカケはエルピオでんきの事業停止
電力自由化に伴い、少しでも安くという安直な理由から、比較的早い段階から新電力へ乗り換えていた我が家。2022年4月頃に当時使用していたエルピオでんきから、突如事業停止の通知が届き、急遽電力会社を探さなければならない事態に。
この頃はウクライナ情勢の悪化などで発電に必要な化石燃料が高騰し、新電力の破綻や、事業停止が複数の電力会社で発生していた。新規の受付を停止している電力会社も多い中、比較的大きなキャッシュバックキャンペーンを行っていたのが、案内メールの中でも推奨されていた「ONEでんき」を運営するグランデータだった。
申し込み当初からグランデータの対応は最悪だった
エルピオでんきからひっきりなしに届く、事業停止の予告連絡メール。今すぐ他の電力会社に申し込まなければ電気が止まる旨記載があり、焦った私。比較サイトでのシミュレーションでも特段問題はないと判断し、申し込み。しかし、これが1か月経っても何も連絡がない。一体どんな会社なんだろうと思った矢先に、いきなり一通のSMSが届く。
この機械的なメール、何かのフィッシング詐欺だと思われても仕方ないと思う。
ようやく切り替え完了も、度々届く約款の変更通知書類
5月末にようやく電気の切り替えが完了。電力そのものに質の違いはないので、特段何も申すべきものはなし。しかし、今となっては気にすべきだった、約款変更の書類。細かい文字がずらずらと書いてあったものの、よく内容を確認せずに処分してしまった。
前年と「電気代」を比較。冬は2倍の請求額。
秋口からやたら高いなと感じつつも、何かとバタバタしていて細かく比較できていなかった。実際どのくらい違うのか比べてみた。エルピオから切り替わったのが5月末。締め日が違うので、完全な同一条件では比較できないものの、完全に切り替わった後の昨年7月から今年の3月までを比較。
率直に高いの一言。ここまで高いとは思わなかった。。一番安くても、前年比で3割高い。冬は2倍。請求額は郵送ではなく、サイト上での確認。クレジットカードの引き落としで、あまり気にしていなかったけど、これはやはり異常。
1月からは政府の補助事業が開始されており、値引きされていなければ、更に高い。
前年と「電気使用量」を比較。昨年と同程度。
前年よりも冬が寒かったから、電気代が増えたのかなぁと思ったら、そんなことは無かった。むしろ前年よりも少ないくらい。
前年と「燃料費調整額」を比較。とにかく高い。
結論から話すと、燃料費調整額が10月から大幅に上昇していたことが、電気代高騰の原因だった。
何故にこんなに高いのか燃料調整額の「単価」を調べてみると、10月からは調整というレベルをはるかに超えた金額になっているのが分かる。私が契約しているフリープランは2段、3段料金がなく、一律26.40円/kWhなので、11月から2月は本来の料金を調整額が上回るという状況。(この単価は東京エリア)
調整額がここまで上がる原因は、調整額に更に上乗せした調整額を請求しているから。
グランデータの電気料金は燃料費調整額による影響が大きいので、燃料費調整額が高くなると、当然電気代も高くなる。
約款を変更したのは、調達コストが明らかに上昇していて、このままでは大幅な電気料金の値上げが避けられないと思ったからに違いない。今更ながら計算式を確認すると「追加調整」の恐ろしさが見えてくる。
「追加調整」と言う言葉のマジックに騙された
「追加調整」は日本卸電力取引所のエリアプライス(地域ごとに異なる)に連動して決定される。グランデータで公開されている、東京エリアを例にした「追加調整」単価の算出方法がこちら。
2023年1月の「追加調整」単価となる値は以下の通り
JEPX 東京エリアプライス 23年1月平均 19.83843円/kWh
× 調達単価係数1.2
=23.810円
11.00円
東京エリアの市場平均価格 23.810円 − 追加請求基準値 11.00円
=12.81円
これに消費税10%を加えた、14.091円が「追加調整」単価となり、×使用量が追加調整額となる。
問題はこの追加調整が、どの程度から発生するか。差し引かれる調達単価係数と追加請求基準値から逆算すると、東京エリアプライスが概ね9円/kWhになる。
東京エリアプライスの推移
この「追加調整」を正しく理解していれば、大幅な値上げになることは明らかだった。
「値上げ」という表現を使用してしまっては、利用者離れに繋がる。そこで考えついたのが、燃料費調整額に紛れて更に「追加調整」を入れ込む方法ではなかったのだろうか。「追加調整」という文言であれば、一般利用者は値上げの印象を受けないばかりか、値下げを期待する。さらに、調整という何とも曖昧な表現で誤解を招いてしまう。
法律をギリギリ、スレスレで潜り抜けた詐欺商法
約款変更の内容を細かく確認せずに、そのまま放置していた私が悪い。(ツイッターでもアドバイスを頂いた方がいたにも関わらず)ただ、一般利用者には非常に分かりづらい言葉と書き方でびっしり埋まった約款変更の通知方法は意図的で、悪意を感じる。直近の動向から「加算」はあっても、「減算」はとても考えられないので。
後払いという電気料金の特性を活かして、運営会社が確実に利益を産む仕組みに見事にハマってしまった。
適切で分かりやすい説明資料の開示と、調整費の設定ルールを法律で設けるべきではないかと思う。
ネット上では苦情の嵐。返金騒動になっている模様。
追加の調整費は、実際に請求があってから相当苦情が出ているようで、5月以降は見直されると通知が来ていた。わざわざ配達証明で送付してくるあたり、訴訟対策か。
ネットで「グランデータ」と検索すると、すかさず返金の文字があちらこちらで出るようになった。ツイッターを見る限り、実際に返金に応じているケースもあるようで、いわゆるゴネ特状態なのは納得いかない。真っ当な会社なら、全利用者に追加調整分の返金をすべきでは。
最後にグランデータの言い訳と対策を確認したい方はこちら。
コメント
只今、請求詳細内容を回答待ちで未払い金を保留していたところ市ヶ谷中央法律事務所より訴訟の準備に入ったと通知が来ました。どうしたものか思案中です。数十回電話料金をかけ連絡しましたが結局話し出来ず、いきなりこれです。
現在の段階になってしまうと、直接グランデータと話すことは難しいと思います。まずは法律事務所へ早急に連絡したほうが良さそうです。
返信遅くなり、申し訳ございませんでした。ご回答、ありがとうございます!早急に連絡してみます。ありがとうございました!
私の知り合いも同じことを言ってますがその後どうなりましたでしょうか?出来れば教えてあげたいのですが、さしつかえなければお願いします